日本語には「助数詞」が存在します。
モノを数えるときに数字の後ろにつける単位のことです。
具体的には「一個・二個」などのことです。
一般的に動物を数えるときは「一匹・二匹」や「一頭・二頭」のように数えます。
また、鳥類は「一羽・二羽」なんて数え方をします。
でも、皆さんがよく知っている動物「ウサギ」の数え方を知っていますか?
実はウサギは「一羽・二羽」と数えるのです。
「まさか、あの長い耳で飛べる・・・?」なんてことはないのですが、モノや動物の数え方にはひとことでは説明できない場合があります。
例えば、動物園で人気のパンダの数え方も、ニュースを見ているだけでも謎が深まるのです。
パンダの数え方は一匹?一頭?ニュースでも定まっていない数え方
パンダのニュースといえば、明るい話題として報じられることが多い印象があります。
来日したとか、赤ちゃんが生まれたとか、いずれも歓迎ムードのニュースが多いおかげではないでしょうか。
そのニュースを注意深く聴いてみてください。
パンダのことをどう数えていますか?
「一頭」と報じるニュースもあれば、「一匹」と報じるニュースがあることに気が付きます。
どちらかが間違っているのか、どちらでもいいのか、混乱します。
それに、少なくとも義務教育でパンダの数え方を習った覚えがありません。
もう少し詳しくみていくことにしましょう。
パンダの数え方は辞書にないニュースの発信元と各社の判断で決定
パンダの数え方を調べているときに、たまたまニュースを読んでいるアナウンサーの人のブログを見つけたのですが、ここに答えがあるように私は思いました。
「弊社では」と断ったうえでの表現でしたが、「動物は原則として匹で数え、抱えきれないほどの大きさの動物は頭で数える」というルールがあることがわかったのです。
しかし、パンダの赤ちゃんが生まれたときのニュースでは、「パンダの赤ちゃんが一頭うまれました」と報じていました。
みなさんご存じのとおり、パンダの赤ちゃんは非常に小さく生まれてきます。
つまり、「抱えきれないほど大きいから頭で数える」というルールに合いません。
それでも「頭」と表現したことには、単純な言い間違いではなく、きちんとした経緯があって「一頭」という表現になったことがわかりました。
それは、発表元の表現に沿うという原則と、他社の表現を参考にする、混乱を避けるといういくつかの配慮があっての結論だったのです。
上野動物園の場合、それを発表したのは東京都だったらしいのですが、ここで「一頭うまれた」と表現しています。
つまり情報の発信元である東京都が助数詞に「頭」を選んだのです。
また、NHKをはじめとした各メディアでも「頭」を使っていたのです。
もしこのアナウンサーの所属する放送局のルールに従えば、パンダの赤ちゃんには「匹」を使ったほうが良いのです。
しかし同じ事柄を扱っているニュースにもかかわらず、「頭」「匹」の両方の表現が存在することになり、それでは視聴者を混乱させてしまうおそれがあると判断し、そのニュースでは「頭」に統一したのだそうです。
古来より日本では動物を匹で数えていた英語のheadが頭をつくった
どうやら動物の数え方には国語辞典で定義するような厳密なきまりがないことはわかりましたが、このパンダの数え方を調べているときに、ほかにも面白い情報を目にすることができました。
「頭」という数え方は、昔はなかったというお話です。
例えば今昔物語のような古典では「匹」が当たり前で、夏目漱石の時代に差し掛かったあたりから、少しずつ「頭」という表現が散見されるようになったのだそうです。
これは英語が影響しているそうです。
英語では牛のことを「head」と数えます。つまり「頭」ですね。
これが元になって、大型の動物を「頭」と表現する機会が増えてきたのだといいます。
普段はそうそう大型動物に接する機会がないので「匹」と使うことの方が多いと思われますが、大型動物を目にしたときさりげなく「頭」で数えられると、教養がある人にみてもらえそうです。
