TVアニメとして25年前に登場した、新世紀エヴァンゲリオン(以下、エヴァ)は、令和になった今でも多くのファンをもつ人気の作品です。

 

そんなエヴァの劇中には、自衛隊の兵器をはじめとして、さまざまな機械が登場します。

 

これらの兵器はエヴァ各機と合わせて人の目をひきつけていましたが、劇中に登場するガジェット類も今見ると面白いです。

 

今回は、主人公の碇シンジが音楽を聴くために使っていた、sdatと書かれた機械に注目します。

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エヴァのsdatのモデルは1990年に発売されたDAT初号機

主人公の碇シンジがエヴァに乗って戦うのは、設定上2015年とされています。

 

現実の世界とは異なる物語なので、登場するガジェットや登場人物を取り囲む社会の姿が違うのは当然のことです。

 

しかし、あえて同時代の2015年にsdatのような機器が存在したかと問われると、その答えはノーです。

 

知っての通り、現実の世界の2015年はすでにスマートフォンが登場して数年が経過しており、スマートフォンは音楽を聴くガジェットとしても機能していました。

 

では、エヴァが放送された1995年当時の世界と比較してみましょう。

 

当時もsdatというガジェットは存在しませんでした。

 

しかし、非常によく似た「DAT」と呼ばれる規格が存在したのです。

 

正式には「Digital Audio Tape」と呼び、その頭文字をとった「DAT」が通称になっていたのです。

メジャーになれなかったDAT規格その後登場したMDも今は過去の物

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1995年当時、この「DAT」という規格を用いて作られた媒体を扱う機器が、確かに存在しました。

 

この機器がエヴァに出てきたsdatと似ています。

 

DATはアナログの音声をデジタルで保存することができる媒体でした。

 

もちろんデジタルデータを保存可能な媒体なので、音楽の保存以外にも流用可能な規格です。

 

デジタルで保存することによってさまざまなメリットが挙げられますが、ここでは音の劣化が避けられることを最大のメリットとして挙げておきます。

 

DATのポータブルオーディオが1990年に発売されたことは上でも触れましたが、規格統一のために1983年ごろから主要なメーカーが集まって話し合いを行ってたのだそうです。

 

今ではレトロな音楽媒体ということで注目されるカセットテープですが、これに音楽を録音・再生するウォークマンが存在しました。

 

なお、カセットテープはDATと異なり、デジタルで録音することはできません。

 

そして、カセットテープを利用するウォークマンが、ポータブルオーディオの主流だったのです。

 

しかし、DAT規格のテープは通常のカセットテープに比べると価格が高く、それを録音・再生する機器も非常に高価でした。

 

結局DATは一般の人の間で爆発的に広がることはなく、1995年当時すでに新しい音楽ガジェットとして登場していたMDに、ポータブルオーディオの主流は移り変わっていきました。

 

そのMDもいまでは過去のものです。

音楽を聴く媒体の進化はデジタル技術の進化と密接な関係にある

ポータブルオーディオで再生する媒体は、カセットテープ・CD・MD、そしてiPodのようなハードディスクを使うもの、メモリカードなどを使うものへと変化していきました。

 

これまでの音楽は、音源を何らかの媒体にコピーしてそれを持ち歩くという方式でしたが、今では音楽はネット配信という形で聴くのが当たり前になってしまいました。

 

このように、デジタル技術の進化と音楽は、密接な関係にあることがわかります。

 

そのため、iPhoneのような、通信ができて音楽も聴けるスマートフォンを利用する人が増えています。

 

スマートフォンが新たな進化を遂げるとき、音楽を聴く媒体もまた新しい姿を見せてくれるかも知れません。

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