I have a pen.
英語でこんな言い回しがありますが、中国語では「have」の代わりに「有」を使います。
その否定を行うのが、「没有」です。
つまり、何かを所有している場合は「有」、所有していない場合は「没有」を使います。
他にもいくつかの表現に使えますので、一つずつ紹介していきます。
商品がそこにあるのに買えない中国の店員の必殺技「 没有」
「没有」を使うと、そこに何かが有るまたは無しの表現が可能です。
例えば『交番の隣に図書館がある』、『交番の隣には図書館は無い』といった表現です。
また、スーパーなどで商品の有無を訊ねることも可能です。
いずれの例の場合も、有るときは「有」、無いときは「没有」を使います。
今から30年ほど前の中国では、この「没有」が乱発されていました。
中国が世界第二位の経済大国と言われ出したのは、少なくとも2000年代に入って以降のことです。
それ以前を知っている人にとっては驚異的な発展ぶりと感じられるようです。
そんな経済発展を遂げる前の中国では、日本人には信じられないサービスの姿が有ったのです。
ここで、日本での普段の買い物の時の姿を思い浮かべてみてください。
おそらく、ワゴンや棚に陳列された商品を手に取りレジに向かいお金を払う、そんな一連の流れを思い浮かべたのではないでしょうか?
少なくとも1990年代の中国ではそうではありませんでした。
①ガラス張りのショーケースや、カウンターの奥の棚においてある商品を指差し、『あの商品を買いたい』と店員に伝え、伝票を書いてもらう。
②その伝票を持って、お金を払うコーナーまで行き支払い証明をもらう。
③支払い証明を持って商品の場所まで戻り、さっきの店員から商品を受け取る。
これが一連の流れです。
これだけでも、現代の日本人にとっては謎の流れです。また、30年前の日本人にとっても不思議な光景でした。
そして、これは一番スムーズに買い物が出来た例なのです。
実は①の時点で買い物が破綻します。
棚においてある商品を指差して『あの商品を買いたい』と伝えているにも関わらず、店員は『没有』と返事をします。
つまり、そこにあるのが見えているのに、ないと言い張るのです。
もちろん、粘れば買えないことはないのですが、日本の常識では考えられない当時の中国でした。
これは中国の名誉のためにも書いておきますが、2000年代になって訪中した際には『没有』を耳にすることができず、寂しく思ったほどでした。
おぼえたての「 没有」でしつこいchange money攻撃を撃退
1990年代の中国では、こんなエピソードも有りました。
当時中国には二種類の貨幣が存在し、それぞれ役割が異なりました。
一つを人民幣と呼び、もう一つを外貨兌換券と呼んでいました。
外貨兌換券は中国政府が外貨管理のために作ったもので、外国人が自国の通貨を中国現地の通貨(元)に両替すると渡される紙幣だったのです。
この外貨兌換券は、基本的に旅行に来た外国人だけが入手可能です。
しかし、中国の人たちの中には、この外貨兌換券を欲しがる人がいたのです。
なぜなら、外貨兌換券は外貨に両替できるし、外国製品を買うことも可能だったからです。
観光客が街を歩いていると、よく『チェンマ?』と声をかけられていました。
これは『change money(チェンジマネー)』の略なのです。
観光客が持つ外貨兌換券を、中国人が持つ人民幣と交換してくれ、と言っているのです。
外国人にとっては人民幣でも外貨兌換券でもあまり差がないのですが、現地の人にとっては非常に魅力的でした。
そのため、人民幣200元を渡すから、外貨兌換券100元と交換してくれ、などの話を持ちかけてくる人もいました。
そんなときに役に立つのが『没有』です。
『チェンマ?』
『没有』
このひとことで、話を終わらせます。
中国語の没有を覚えるとお馴染みのニーハオ以上に会話で使える
『没有』という言葉をきくと、つい、こんな古い時代の中国のエピソードを思い出してしまいます。
なんて不便でいやらしい時代なのだ!と否定的に見る人もいると思いますが、この『没有』は中国語学習でもかなり早い段階で習得する言い回しです。
それにも関わらず、当時は『ニーハオ』以上に多用する言葉だったことを思い出します。
